大島家・大島屋窪屋郡倉敷村

大島家・大島屋
窪屋郡倉敷村





大原美術館の前の橋を渡って本町通りを過ぎ、鶴形山のトンネルに入る手前に観龍寺へ登る石段があります。この石段の左下に金屏風の伝説で有名な大島屋の墓地があります。大島屋の屋敷はこの墓地付近から本町通りまでの広大なものであったようです。

下記がその系譜概略ですが、純金むくの屏風を持っていたという大金持ちは6代季任の長男で、跡を継がなかった人のようです。どうも早く亡くなっているので、病弱だったのかも知れませんが、あまりに散財するので相続を許可されなかったのかも知れません。

次郎右衛門――+――次郎右衛門――+――次郎右衛門以久――+――次郎右衛門安齋――次郎右衛門季雅――+
寛文8    |         |  貞享5      |  元禄10     元文4      |
       +――又兵衛    |  室        |  室        室        |
                 |           |                    |
                 +――女        +――長兵衛               |
                 |  家へ嫁     |  分家平野屋             |
                 |           |                    |
                 +――女        +――女                 |
                 |  家へ嫁        小野調意妻             |
                 |                                |
                 +――九兵衛                           |
                 |  分家塩屋                          |
                 |                                |
                 +――女                             |
                    阿部家嫁                          |
                                                  |
+―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

+――重右衛門
|  元文2
|  室豊福氏

+――源五郎
|  分家深田屋

+――次郎右衛門季任――+==次郎右衛門季定――庄右衛門季秋==令五郎安境==次郎右衛門正鵠――+
|  宝暦13     |  難波氏      文化9     小野氏    土屋氏      |
|  室田中氏     |  天明4      室土屋氏    文政3    嘉永1      |
|  室        |  室季任娘                    室山口氏     |
|           |                          室植田氏     |
+――女        +――女                                |
|  真安長義妻    |  福山今津屋嫁                           |
|           |                                   |
+――兵次郎為名    +――三郎兵衛季綏                           |
|  分家天野屋       明和2                              |
|  寛政7                                          |
|  室岩津氏                                         |
|                                               |
+――女                                            |
   直敞妻                                         |
                                                |
+―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

+――豊作正鴨
|  栗原家嗣

+――佳太郎

寛文8年に亡くなった次郎右衛門の前に2代あるとも云われますがよく判っていません。季雅の長男重右衛門は蓑里という名の俳号をもっていて、家督を継いでいません。妻は作州津山の豊福氏です。季任の最初の妻は作州勝山千種屋田中家から、後妻は讃州高松の茶屋九兵衛の娘です。季任の妹は、同村の播磨屋原田家へ嫁ぎますが、離縁となり、後に小田郡小田村の真安家に嫁いでいます。季任のあとは、田中氏が生んだ娘に岡山児島屋の難波長兵衛の子を養子に迎えて嗣がせています。弟の三郎兵衛の母は茶屋から来た後妻のようです。金屏風の物語には、大島屋彦兵衛という名で登場しますが、崩し文字で「三郎兵衛」と書いたものを読み違えたようです。

季秋の妻は備後尾道栗原屋土屋家から来ています。季秋も里芳という俳号をもっています。季秋の跡を継ぐ子がいなくて、浅口郡長尾村の坡南小野家から養子を迎えますが早世し、季秋の妻の実家から和一という養子を迎えています。和一の妻は同村児島屋の植田方隣次女です。この辺りで血脈が絶えているらしいのですが、古禄の筆頭の大金持ちの大島屋に新禄の植田家から養子が来ているのは、いかにも倉敷町の覇者交代を現しているようで興味深いです。

正徳元年の宗門帳には、

高203石6斗6升
茂左衛門    55歳  真言宗観龍寺
女房      40歳 備中国松山与左衛門娘 21年以前縁付
男子 重右衛門 32歳
   女房   28歳 美作国津山喜三兵衛娘 10年以前縁付
   孫三郎  22歳
   兵次郎  11歳
女子 よし   18歳
   さん   15歳
   志ち   13歳
   志ま    9歳
(中略)
男子 源五郎  23歳 岡山彌三兵衛 6年以前養子
女子 ちま   19歳 当村太郎右衛門方へ3年以前縁付

とあり、倉敷村一番のダントツの資産家であったことがわかります。これから百年ほどで、大島屋の石高は5分の1に減り、代わって井筒屋水澤家が374石と伸びています。新禄古禄の争いの頃(寛政~文政)には、大島屋庄右衛門の石高は41石、酒造株35石、借家25軒となっています。当主の茂左衛門は上記系図の季雅のことで、男子孫三郎があとを嗣いだ季任、「ちま」という女子が真安家へ嫁いだ人のようです。なお、21年以前縁付きというのは、現代流には「21年以上前に」嫁いで来たという意味になりますが、この時代には「21年前に」という意味だったようです。

屋の系譜は次の通りです。

九兵衛 ――+――女
天和2   |  澄逝妻
原田氏  |
      +――清右衛門――+――女
         享保19  |  難波家嫁
         室     |
               +――九兵衛正重――多十郎――嘉兵衛
                  正徳1    天明5  文化11

正徳元年の宗門帳では、

高28石4斗4升7合6勺
権三郎     14歳  真言宗観龍寺
父九兵衛    49歳
伯父又三郎   38歳
祖母寿千    69歳
(中略)
伯母つる    59歳 45年以前当村澄逝方へ縁付
同しな     53歳 下津井村勘介方へ35年以前縁付
同さつ     36歳 当村九郎左衛門方へ20年以前縁付
姉しな     26歳 岡山油町児島屋孫介方へ10年以前縁付
同ひさ     22歳 岡山古京町助五郎方へ去年縁付

当主の権三郎は上記の系図の正重のようです。

平野屋の系譜は次の通りです。

長兵衛==磯右衛門――多右衛門――+==磯右衛門
貞享1  享保2   明和6   |  岡山角屋男
室    室家女   室三宅氏  |  安永1
                 |  室家女
                 |
                 +==多右衛門信安――+――安右衛門 ==繁蔵      ――亀太郎
                    津山福島氏   |  弘化2    亀山氏後離別    明治3
                    寛政12    |  室小野氏   室家女後片岡氏妻  室
                    室家女     |  室吉田
                            |
                            +――女
                               三宅家へ嫁

安右衛門の最初の妻は同郡沖村の新屋小野家から、後妻は浅口郡舟尾村の吉田家から来ています。吉田氏が生んだ娘に、総社の亀山家から養子を迎えて跡を継がせています。

正徳元年の宗門帳では、
高22石6斗5升2合5勺
磯右衛門    44歳  真言宗観龍寺
男子茂三郎    1歳
(後略)

戎町に居住した三好
屋(又は紙屋)という大島氏があり、大島屋の縁族といわれます。

治右衛門――甚兵衛――+――甚兵衛聖護――+――与右衛門元俊
小野氏?  明和2  |  寛政1    |  文政5
享保18  室    |  室佐藤氏?  |  室
室          |         |
           +――助右衛門   +――愛
              家嗣    |  片山言信妻
                     |
                     +――女
                        東原景雄妻



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