坂野家
津高郡菅野村
先祖は九州菊池武時の末裔で、暁氏で24代になるとのことです。鉄次郎氏を輩出した分家も暎氏で13代とのことですから、おおまかな墓碑調査だけでは本分家のつながりは判りません。なお、明治24年4月の津高郡野谷村衆議院議員選挙人名簿に記された資産によると、坂野半四郎:269円余、坂野正愛:17円余となっており、本家の資産は分家に遠く及ばない状態になっています。
民右衛門――和右衛門定為――女 人見氏 慶應4 ‖ 天保11 +――右介正愛――正道―――+――暁 室家女 ‖ 明治40 明治30 | 昭和47 ‖ 室中尾氏 室福島氏 | ‖ +――定香 小池助兵衛――多賀治正寶 | 昭和57 ‖ 安政6 | ‖ +――敏子 ‖ 数田正臣妻 +――逸三―――+――正矩 ‖ 大正6 | 昭和29 人見官蔵――女 室長尾氏 | 室阿部氏 大村氏 | +――壬昵 | 明治35 | +――女 近藤欽吾妻 | +――女 中村市太郎妻
上記系図中、多賀治正寶が大村系図に記されていた高二です。人名は同音の異なる漢字を当てられることが多いので、頭を柔らかくして読む必要があります。
定香(しずか)氏は郵便局長正道の次男として生まれ、東京美術学校(東京芸大)中退後都窪郡撫川町(岡山市)の特定郵便局に就職、昭和21年に退職してから一時途絶えていた撫川うちわ製作を研究し、復活させました。昭和34年に岡山県重要無形文化財に認定されています。
鉄次郎常房――惣兵衛常高――半四郎常禮――+――女 吉田虎吉妻 明治6 明治35 昭和3 | 室西村氏 室西川氏 室横川氏 +――鉄次郎――――――+――常禮 | 昭和27 | 室山本氏 | 室高見氏 | | | +――女 野崎又三郎妻 | | | +――女 小西正二妻 | | | +――女 山岸哲夫妻 +――光子 木下章三妻 | | | +――暎 | | | +――紀美子 西松竜一妻 | +――常善 ――+――常房 昭和46 | 室飯田氏 室宮原氏 | +――常和 | 室原氏 | +――常隆 | 室清水氏 | +――善子 阿野季房妻 | +――恵美子 沢田信夫妻
常高は後に大庄屋まで勤めています。半四郎も中牧村名主から西菅野副戸長、郡書記を勤めて地方政治に貢献しています。
。坂野鉄次郎氏は逓信官僚として我が国の郵便制度の基礎となる数多くの仕事をこなし、退官後は実業界に転身、貴族院議員などを勤めた人です。昭和53年、郵政省は郷里に近い岡山市野谷郵便局隣に郵政省逓信博物館分館「坂野記念館」を建設しました。弟常善は阿川弘之、司馬遼太郎の小説にも登場する海軍中将です。
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