昆陽野家・播磨屋
児島郡吹上村





天城中島宣光(妻は生坂間野氏)の孫娘がこの家に嫁いでいることが判ってから、お墓を訪ねてみたいと思っていました。墓地は吹上の観音寺裏山にありますが、荻野家の墓地を確認に行った時、その並びに立派な古い墓碑群があるのを発見しました。

下記のように、文蔵より前はよく判りません。「○○晴光信士安永九年播磨屋文蔵」と「○○智水信女安永三年はりまやおふき」が初代夫婦です。二代喜太郎、三代喜八郎昌盈ともに妻を味野村の昆陽野(野崎)家から迎えていますので、隣に墓地を構える荻野家同様、もとは味野方面から移住してきたのかも知れません。

四代喜代八、五代喜太郎昌忠ともに妻を味野村新屋荻野家から迎えていますが、昌忠は若くして亡くなったので、その妻貞子は浅口郡鴨方村の高戸忠順次男安次郎を後夫に迎え、この間に直寛が生まれます。しかし、貞子もまた相次いで早歿したので、安次郎は備中五名村太田六郎長女を後妻に迎え、この間に資生が生まれています。和一郎も二十三才で亡くなっていますので、中島氏からの血脈はここで途絶えているようです。

貞子の墓碑文を転載しておきます。

貞子は山ひとつあたなる味野のむらひと荻野修孝のむすめにて母は天城人中島某女なりき文政七年三月この吹上なる古谷昌教の妻となりてをのこ子ふたりまてうみけれとも心はけなきほと  昌教も  うちつゝきて空しくなれりしかは備中国浅口郡鴨方なる高戸忠順の次郎忠文を養ひてこれにあはせ  家をつかせぬ貞子いとまめやかなる本上にて家の事何くれととりまかなひいそしひける乎あまりに心をつくせるしくにやありなむ天保九年十二月のくれよりやミいてゝあくる十年といふ七月六日にあへなくもみうせぬ忠文には男一人女子一人なん有けるを妹の子ハはやくうせて和一郎ひとりなるをおひ立なん後に母君のいたつかれつる心を思はゝさりともよきいましめにもならすやハとて忠文の志のまゝにかつ/\記しぬ荻の環

崩し文字で浅い彫りで、解読には苦労したと思います。貞子の母と姉の墓碑も同じ人の手で書かれたようで、文章は中島富次郎の作ではないかと思います。

     小屋野
文蔵 ――喜太郎  ――喜八郎昌盈――+――喜代八    ――+――喜太郎昌忠
安永9  安永6    文政7    |  文化9      |  文政12
室    室昆陽野氏  室昆陽野氏  |  室荻野氏     |  室荻野
                   |           |
                   +==新介 分家    +==安次郎忠文――+――和一郎直寛
                   |  鎌田氏         高戸氏    |  安政3
                   |  室家女         室荻野氏   |
                   |              室太田氏   +――喜八郎資生――+――喜八郎 ――+
                   +――女                  |  明治29   |  大正10  |
                   |  野崎武左衛門妻            |  室小西氏   |  室     |
                   |                     |  室      |  室     |
                   +――女                  |         |        |
                      能勢恵信妻              +――岩蔵忠利   +――春     |
                                                      昭和21  |
                                                            |
+―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

+――喜太郎
|  昭和63
|  室

+――平吉
   大正12

喜八郎昌盈の墓碑には「小屋野」、同妻の墓碑には「古屋野」、安次郎忠文には、「古谷」となり、昭和三十八年六月十二代喜太郎建之という古谷家歴代之墓には本播磨屋という花筒が建てられています。 
いくつかの分家があったようで、それらを墓碑で整理してみました。

古谷野
新三郎 ――+――孝太郎
能勢氏   |  明治14
明治14  |
溝手氏  +――新三郎――+――英太郎
         室    |  大正3
              |
              +――末男  ――公一 池田家嗣
              |  昭和36
              |  室
              |
              +――武雄
                 昭和3

岩蔵忠利――竹松 ――+――藤吉郎
明治10  昭和7  |  大正11
室     室    |  室永田氏
           |
           +――集吉
              昭和2
              室
              室



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